dipperJapan (EXTENSION合同会社)より、Equal Coffeeを通じて、コーヒー焙煎度測定機器(コーヒーローストアナライザー)”dipper・ディッパー”のリリース致します。
dipperはSCAのAgtron Scale(アグトロンスケール)を採用。焙煎度合いを目で見て判断せず、機器による計測によってより正確に測定を行います。
普段からカッピングなどでアグトロン値に慣れている方にはそのままの感覚でお使いいただけるかと思います。まだカッピングなどを行ったことがない方も、手軽に焙煎度を測ることができて、とても重宝すると思います。
なぜdipperのアグトロン値を用いて焙煎度合いを測ることが重要なのでしょうか。順を追って説明していきます。
アグトロンスケールとは
アグトロンスケールとはSCA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)が発行するロースティーングチャート(色見本)に表示されている数値で、コーヒーの焙煎度合いの基準を定めたものです。
アグトロン値以前は色による判断を行い、ライト、ミディアム、ダーク(日本語では、浅煎り、中煎り、深煎り、、、)等と表現してきましたが、アグトロンスケールの決定によって焙煎度合いを数値化することで、これまでより明確な基準で判定が行えるようになりました。共通の焙煎基準が設けられたことでより細かく明確に定義されたため、使用する側もアグトロンスケールを指標にして会話し、焙煎度合いを測るためのスタンダードとなっていきます。
弊社のスタッフも日々EqualCoffeeの業務で焙煎を行っておりますが、これまでの焙煎度の判定は、自身の焼いた豆とこのようなロースティングチャートとの見比べによる「目視」によって行われてきました。
具体的には、焼き上がった豆を色見本(カラーチャート)と照らし合わせて、ライト、ミディアム、ダークなどとロースト判定を行っています。
もうお分かりかの方は多いかと思いますが、カラーチャートを使った判定は目視によるものですので、感覚に頼ったいわば「あいまいな」色判定となってしまい、暗所で焙煎していて判定して、店頭に持って行ったら実際はかなり浅い焙煎だったというようなことが生じていました。煎りムラがある場合どの色を採用しているか、判定する場所の光の環境や、判定する人によってばらつきが生じる問題がありました。
アメリカではアグトロンを用いた分光計測がメジャーですが、日本国内では、大手や中堅企業が色による判定を機器で計測する「色差計」を用いるようです。但し、正確に計測する機能を持った機器が非常に高額なため、小規模事業者や個人では手が出せず、大手中堅以外では焙煎度合いを正確に計測することが難しい現実があります。
このような問題を解決するために開発されたのが、dipperです。
dipperの登場により計測がより正確且つ身近なものに
この度のdipperのリリースにより、アグトロンによる焙煎計測がより身近なものとなっていきます。目視に頼っていた曖昧さが排除され、近赤外線によって計測され、焙煎度合いが数値化されていきます。
個人が手に届く価格帯となりますので、これまで大手や中堅の専売のようなものであった焙煎度合いの正確な数値化が民主化されることになります。アメリカではアグトロン値を用いた焙煎度合いの表示を行っている店もあり、日本でも同じような流れが生まれることも予想されます。
※これまでは目視により「アグトロンスケール60に近い数値で焙煎しています」のような曖昧な表現でしたが、「アグトロンスケール60」と表記していただけます。
味の違いが焙煎度合いによるものなのかを正確に検証できます。消費者は数値によって好みの焙煎度を知ることができます。何より、より正確に豆の状態を把握できることは提供する側も消費者にとっても望ましいことかと思います。
dipperの情報は本オフィシャルサイトや、Equal Coffee、SNSを通じて発信していきます。今後もフォローを宜しくお願いいたします。