

焙煎を科学する

dipper(ディッパー)
アグトロンスケール(Agtron Scale) dipper は、コーヒー豆や粉の焙煎度(ローストレベル)を数値化して評価するための測定機器です。コーヒーの焙煎度を決める世界共通の基準として現在、多くのロースターやカフェで採用されています。
Agtronスケールは、焙煎プロファイルの管理や品質保証、顧客への信頼性の高い情報提供に役立ちます。
さらに、SCA(スペシャルティコーヒー協会)が定めるカッピング基準とも互換性があり、競技会や国際取引の現場でも活用されています。
「感覚」ではなく「数値」で焙煎度を管理することで、品質の一貫性を保ちながら、さらに高いレベルのコーヒー体験を提供することが可能になります。
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コーヒー焙煎の品質管理の重要性
品質が味のすべてを決める
コーヒーの味わいや香りは、生豆の品質だけでなく「焙煎工程」によって大きく左右されます。
焙煎は生豆の中に眠るポテンシャルを最大限に引き出す作業であり、わずかな火力や時間の違いが最終的な風味に大きな差を生みます。
そのため、一定の品質を安定して提供するためには、焙煎工程と結果の管理が不可欠です。
人の目視と感覚に頼ってきた品質管理
これまで焙煎度の最終確認は人の目視に頼ってきましたが、品質管理の観点では限界がありました。熟練の技術も個人差や環境に左右されやすく、再現性や客観性に欠ける場合がありました。
特に複数人が関わる現場では基準の統一が難しくなります。
感覚ではなく数値化されたデータを活用することで、誰でも安定した品質管理が可能になります。Agtronスケールのような測定機器で焙煎度を「見える化」することが、現代のコーヒービジネスでは重要視されています。


焙煎度を数値化することで、誰でも同じ基準で判断でき、客観的で安定した品質管理が可能になります。
データはプロファイル管理や改善に役立ち、品質の証明として顧客にも示せます。
感覚に頼らず、明確な指標で品質を標準化・向上させ、信頼性を高める。それが数値化の最大の意義です。
Agtronスケールとは?
Agtronスケールは、コーヒーの焙煎度(ローストレベル)を数値で表す国際的な基準です。
焙煎した豆や粉を光学的に測定し、0〜100の数値で示します。数値が低いほど深煎り(ダークロースト)、高いほど浅煎り(ライトロースト)を意味します。
このスケールは、焙煎度を客観的に管理・比較できるため、スペシャルティコーヒーの品質管理や品評会などで広く使われています。感覚や目視に頼らず、安定した焙煎を実現するための重要な指標です。

国際的な標準としての位置付け
Agtronスケールは、コーヒーの焙煎度を定量的に評価する方法として、世界中のロースターやコーヒー品質審査の現場で採用されている国際的な標準です。
特に、スペシャルティコーヒー協会(SCA / 米国)が定めるカッピング基準や品質基準にも対応しており、世界各地の品評会や取引の際に共通言語として用いられています。目視や感覚に頼る従来の方法に比べ、客観的で再現性の高いデータが得られるため、品質の証明や輸出入時の基準としても信頼性が高く、コーヒービジネスの国際的な品質管理に欠かせない存在となってきています。
日本における現状は?
日本でも、スペシャルティコーヒー市場や競技会ではすでに導入されていますが、まだ一部の先進的なロースターや大会関係者が中心であり、全体的にはまだ「職人の感覚」や「経験」に頼る文化が根強いのが実情のようです。伝統的な技術や美意識が重んじられる国民性もあり、数値化やデータ管理の重要性が広く浸透するまでには時間がかかっているようです。
Agtron 数値の見方(浅煎り〜深煎りの目安)
焙煎度 | Agtron値(簡略化した目安) |
浅煎り(ライト) | 70〜100 |
中煎り(ミディアム) | 50〜69 |
深煎り(ダーク) | 20〜49 |
*dipperはさらに細かく、一般的な焙煎度名を8段階、SCAでの呼び名を10段階に分けてお知らせしてくれます。
(SCA名 :Very Light、Medium / 焙煎度の通称: Medium Roast、Full City Roast等)
dipperの特長

1. 簡単操作で高精度測定
サンプル豆または粉を付属の専用トレーに入れてセットしてdipperを載せて、ボタンを押すだけのシンプルな操作で焙煎度を測定。2秒かからず位の秒速で焙煎度を数値化します。視覚や感覚に頼らず、誰でも同じ基準で正確に評価できます。
2. 豆・粉どちらも測定可能
dipperは、焙煎後のコーヒー豆をそのまま測定することも、挽いた粉を測定することも可能です。焙煎後の豆のチェックや、抽出前の粉の状態確認、そして豆と粉の内外差の測定など、用途やシーンに応じて使い分けができるため、より幅広い品質管理に対応します。
この柔軟性により、焙煎プロファイルの検証や工程ごとのテストが効率よく行えます。


3. 小型・省スペース設計
dipperは従来の大型の分析装置と比べてコンパクトで、なんと10cmの手のひらサイズ。アグトロンスケールとして圧倒的な小ささです。
dipperは、ポータビリティ(携帯性)に配慮して設計されており、必要な場所に簡単に持ち運んで使用することができます。軽量かつコンパクトなボディで、設置スペースを選ばず、焙煎所やカフェのカウンター、イベント会場など、さまざまな現場で活躍します。
小規模ロースターやカフェの現場でも活用しやすい設計です。
4. 少量のサンプルで計測が可能
dipperは少量のサンプルで焙煎度の測定が可能です。大量の豆を用意する必要がなく、テストローストやカッピング用の小ロットでもスムーズに品質チェックが行えます。希少性の高い豆や高額なスペシャルティコーヒーのように限られたロットでも、無駄なく品質確認が可能です。
*サンプルが少量で済むことはロースターにとって非常に重要です


5. SCA名称・アグトロン値・通称の3つで表示
dipperは測定結果を、国際基準であるSCA(スペシャルティコーヒー協会)が定義する焙煎度名、一般的な焙煎度の通称、そしてアグトロン値の3つの形式で表示します。
焙煎度をアグトロンの数値だけでなく、誰にでも分かりやすい名称や業界標準の表記で確認できるため、プロだけでなくホームロースターもわかりやすく、また、現場での共有やお客様への説明もスムーズです。
6. 国際基準で計測が可能
dipper測定結果はAgtronスケールの数値で表示され、SCA(スペシャルティコーヒー協会)などが採用する国際的な品質基準に対応。
*画像:SCAオフィシャルサイトに掲載されたdipper
ーSCA 公式HP記載ー
「カッピングの焙煎レベルは、SCA基準の粉砕したカッピング用のコーヒーを使用して焙煎後30分から4時間の間で測定し、室温のコーヒーを測定します。
コーヒーは、± 1.0 単位の許容差で次の測定値を満たさなければなりません。
「dipper」の「グルメ」や「コマーシャル」モードを使用する場合のアグトロン測定は下記の通りです。
アグトロン「グルメ」:63.0
アグトロン「コマーシャル」:48.0」


<主な機能>
・コーヒー豆と粉、両方の焙煎度を近赤外線で測定
・2種類のAgtron Scale「グルメ」と 「コマーシャル」の選択が可能
・2種類の焙煎度名の表⽰付き(SCA規格焙煎名及びCommon焙煎名)
・少量のサンプル豆・粉で測定が可能、サンプル用コーヒーのロスの低減
・高精度の光学計測エンジン
・自動スリープ機能で省エネ対応(自動スリープまでの時間を設定可能)
・最新の200回分の履歴データ記録機能
・スピーディな起動と瞬時に測定が可能
・連続使⽤時間 8時間で⻑時間使⽤が可能
・直感的かつシンプルに操作が可能なインターフェース
・携帯に便利なサイズのクッション内蔵専用保護ケースが付属
・見やすいハイコントラストなOLEDディスプレイを採用・充電しながらの使⽤が可能
・質感の良いアルミ合金の本体ボディと温かみのある木目皿が付属
様々なシーンでdipperが活躍します

品質管理:日々の焙煎後の品質確認、卸販売・輸出入の品質管理、複数店舗での品質統一、社内の焙煎トレーニング
セミナー、イベント:焙煎教室、セミナー、焙煎トレーニング・カッピング会、競技会やイベント会場での簡易測定
仕入れ:サンプルチェック、生豆業者との商談の際の基準確認
小売・飲食店:焙煎度別のメニュー提案、生産性向上のための焙煎プロセス改善、新しいレシピの方向性決定
趣味の焙煎:焙煎度の仕上がりを数値で確認、焙煎プロファイルを記録・管理、豆の品種・産地ごとの最適な焙煎を探す、焙煎度と味の関係を学ぶ、焙煎失敗の原因を分析する、SNS等の情報発信に活用

仕様
品名 | dipper 焙煎度測定機 |
サイズ | 直径65mm×高さ100mm |
重量 | 280g |
規格 | SCA Agtron 規格を採用 |
表示 | 単色OLEDディスプレイ |
充電方式 | USB TypeC 5V/1A |
フル充電時間 | 約3時間 |
使用時間 | 連続約8時間 |
SCAJ2025に出展致します

dipperは国内最大級のコーヒーの祭典 SCAJ2025のEqual Coffeeブース内に展示予定です。
皆様どうぞお気軽にブースまでお越しくださいませ。